茶事について
茶事とは
茶事(ちゃじ)とは、伝統に裏打ちされた、お茶のフルコースのおもてなし。正式な茶会とはこの茶事のことを指してます。古くは、茶会の語が広く茶の湯全般を意味する言葉として使われていました。
しかし多くの客を一同に招く「大寄せ」が次第に盛んになり、近年の茶会はほとんど大寄せ茶会が一般的となりました。
そのような事情から茶会というと大寄せ茶会をさすようになったため、これと区別するために、茶事の語が使われています。
茶事は茶の湯では「釜をかける」ともいいます。
茶事の種類①~正午の茶事
茶事の種類にも様々あります。今回は正午の茶事について説明を加えます。正午の茶事(しょうごのちゃじ) とは、正午頃を席入とする茶事のことをいいます。
一年を通じて行われますが、炉正午の茶事が最も正式な茶事とされています。
茶会の招きを受けると、「前礼」といい招かれた相手先に挨拶し、当日は「寄付」に集り、客が揃うと案内をうけ「外待合」に通り、亭主の「迎付」を受け「蹲踞」で手水をつかい席入したあと、炉の正午の茶事では、初炭、懐石、そのあと菓子が出て初座は終わり、中立となり、銅鑼の合図で再び席入(後入)し、濃茶、後炭と続き、そのあと薄茶が出て後座は終り、客は退出します。
千利休が「ふた時を超えてはいけない」といったように初座に2時間、後座に2時間、全体として4時間(二刻)にわたる茶事です。
補足ですが、風炉の正午の茶事では、懐石、初炭、菓子、中立、濃茶、後炭、薄茶の順となります。
茶事の種類②~朝茶
朝茶(あさちゃ) とは、風炉の時期において、夏の早朝に催される茶事のことです。
朝会ともいいます。
午前6時頃に開始され、席入、初炭、懐石、中立、濃茶、続き薄茶の順に進行していきます。
懐石は、焼き物が省略され、替わりに、香の物に青竹の箸を添えた鉢が、早くに出てきます。
これは、向附に生ものを用いないのと同様に、朝からは新鮮な魚が手に入らなかったからです。
勿論、最後には湯桶と一緒に香の物が出てきます。
補足ですが、利休の頃までの茶会は、季節を問わず朝会が中心でした。朝茶が酷暑の頃のものにとなったのは宗旦以後の元禄・享保の時代といわれます。
朝会ともいいます。午前6時頃に開始され、席入、初炭、懐石、中立、濃茶、続き薄茶の順に進行していきます。
懐石は、焼き物が省略され、替わりに、香の物に青竹の箸を添えた鉢が、早くに出てきます。
これは、向附に生ものを用いないのと同様に、朝からは新鮮な魚が手に入らなかったからです。
勿論、最後には湯桶と一緒に香の物が出てきます。
補足ですが、利休の頃までの茶会は、季節を問わず朝会が中心でした。朝茶が酷暑の頃のものにとなったのは宗旦以後の元禄・享保の時代といわれます。
茶事の種類③~夜咄(よばなし) とは
夜会ともいいます。
午後5時から6時頃の案内で、露地では灯篭や露地行灯に火を灯し、客は手燭で足元を照らしながら腰掛に進み、迎付のとき亭主と正客は手燭の交換をします。
茶室では、短檠や竹檠、座敷行灯が使われ、点前や拝見のときは手燭を用います。
初座の挨拶のあと、まず寒さをしのぐため前茶(ぜんちゃ)といって、水次や水屋道具で薄茶を点てます。
拝見の所望はせず、正客以外は「おもあい」でと申し出て、一椀で二人が頂き早く済ませるようにします。
その後、初炭、懐石、中立、濃茶、続き薄茶の順に茶事は進行していきます。
夜咄では漆黒の夜の幽玄のひとときを体験できるでしょう。そして古の茶人はもっと寒く、暗い中、この夜咄茶事を楽しんだのでしょう。
茶事の種類④~暁の茶事
暁の茶事(あかつきのちゃじ) とは、厳寒の頃、夜明けの風情を楽しむ茶事です。夜込(よごめ)ともいいます。歳暮より2月にかけ、午前4時から5時にかけて席入りをする茶会のことです。
古くは、暁会の名称はありませでした。
すべて朝会と云い、夜を込めて露地入りをしていましたが、朝会の案内に夜を込めて行く事が稀になり、別に暁七ツ時(寅の刻。日の出の2時間前頃。およそ冬至では午前4時頃)に席入するものを暁会と称するようになったことが暁の茶事の歴史的沿革です。
暁の茶事では、初炭のあと、釜をいったん水屋に持ち帰り、湯を半分ほどあけ、そこへ井華水(せいかすい)をあふれるほど満たして柄杓で2~3杓かき出し、この釜を再び炉に据える濡釜や、懐石のとき、小間天井の突上窓をあげ、暁の曙光をとり入れる習いがあります。
茶事の種類⑤~飯後の茶事
飯後の茶事(はんごのちゃじ) とは、文字通り食事の後で行われる茶事です。朝食と昼食の間、または昼食と夕食の間、夕食後の茶事です
食後の時刻に案内し、菓子ばかりで濃茶、薄茶を差し上げるところから、菓子の茶事、菓子会ともいわれます。
飯後の茶事は形式は定まっておらず、吸物、八寸、酒などを出す場合もあります。
ふつう、炉ならば初炭、小吸物、八寸、酒、菓子、中立、濃茶、薄茶となりますが、中立なしに、床は諸飾とし、初炭、菓子、濃茶、薄茶とし、その後軽い点心を出すこともあり、濃茶の後で点心を出し薄茶を最後にするなど、順番が入れ替わったり、略されたり、時により、主客の都合により、どのようにも変化できる茶事です。
このような観点から万事にさらさらとした進行が飯後の茶事には似つかわしいように思います。
茶事の種類⑥~跡見の茶事
跡見の茶事(あとみのちゃじ) とは、茶事七式の一で、茶会のあとで、参会できなかった希望者に、その道具の取り合わせや趣向などを見せるために行う会のことをいいます。つまり朝茶事、正午の茶事に呼ばれたが都合悪く参加できなかった客、あるいは呼ばれなかったがその茶席の見事さに一度拝見したいと思う者が、亭主に御願いをして同じ趣向で開いてもらう茶事のことをいいます。夜咄は遠慮するのが決まりである。
茶事の種類⑦~不時の茶事
定法がなく、亭主の働きの見せどころの多い茶事です。
不時の茶事とはあらかじめ決められた茶事ではなく、前触れなく催される茶事です。
臨時の茶事ともいいます。
その場にあるあり合わせのもので、不意に来訪した客をもてなし、懐石や八寸、お茶が始まる、そんな茶事です。
したがって定法がないからこそ亭主の力量が十分ないとスムーズに進行しない非常に難しい茶事といえるでしょう
茶事の流れ①~簡単な一連の流れ
まざまな茶事のなかでも「正午の茶事」が他のすべての茶事の基準となるもので、以下この茶事の手順の概略をみることとしましょう。まず茶事の案内を通常書状にて客に案内状を送付します。日時、茶会の主旨、また当日の連客などを伝えるのです。
このように茶会の招きを受けると、茶事の前日には客の代表が亭主をたずね、あらかじめ茶事の礼をのべ、客の数などを伝えます。これが「前礼」です。
当日は、「寄付」に集り、客が揃うと、案内をうけ「外待合」に通り、亭主の「迎付」を受け、「蹲踞」で手水をつかい、席入します。
席入したあと、炉の正午の茶事では、炭点前(初炭)、懐石、そのあと菓子が出て初座は終わり、中立となります。
銅鑼の合図で再び席入(後入)し、濃茶、炭点前(後炭)と続き、そのあと薄茶が出て後座は終り、客は退出します。風炉の正午の茶事では、懐石、初炭、菓子、中立、濃茶、後炭、薄茶の順となります。
大雑把ではありますが、以上が茶事の簡単な流れになります。
茶事の流れ~席入までの流れ①
当日は、「寄付」に集ります。客は「寄付」で衣服を整えます。ここで通常、亭主の補佐役の半東の運ぶ「湯」を頂きます。こうして客一同は心を静めて亭主の案内を待ちます。
客が揃うと、案内をうけて外露地に出て腰掛に進み、腰掛にかけて円座をしき、煙草盆を客の間に置いて亭主の「迎え付け」を待ちます。
亭主はつくばいの水を改めたあと、露地の中程の中門の戸を開けます。亭主が中門に歩み寄るのをみた客は一同腰掛を立って、正客より順に中門へ進み出、つくばってお互いに黙って礼をかわします。これが「迎え付け」です。
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