日本の伝統文化茶道について解説します

茶道基本情報

茶道とは

2sa.JPG茶道は日本の伝統文化ですが、「茶道とは何か」という問いに正確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。

茶道は茶の道の芸術なのですが、茶の湯とも言われており、亭主と客人が集まって行う茶会を中心にした、日本独特の生活文化を指します。

単に茶を入れて飲むのではなく、精神性を重視した、総合芸術とも言えるでしょう。

つまり茶道は、季節や趣向、客に応じて道具や料理・菓子を選び、床にかける掛軸、茶室に飾る茶花、道具の取り合わせや調和を考え、茶席や庭の掃除は勿論、塵一つにも気を配り、客はその思い入れや趣向を感じ、ともに楽しむというように、主客の対話立ち居振る舞いまでのすべてが茶道なのです。

茶道には、作法や約束事が細かく決められており、一見、堅苦しくて窮屈だと感じる人もいるでしょう。

しかし、茶道は実際は、五感を十分に働かせて客をもてなす、風情ある世界に誇れる日本文化で素晴らしいものなのです。

茶道の様式は、千利休により「侘茶」として完成されてからは、表千家・裏千家等の数多くの流派に分かれて、現在に至っています。

日本一のもてなし料理と言われる「懐石料理」や、茶によく合う和菓子も、もともとは茶道から生まれたものであることもしっかりと覚えておきましょう。


茶室とは

3sa.jpg茶室とは、露地、待合、本席、水屋、厨房など茶事をするための一連の施設のうちの主たる部屋(本席)のことをいいます。露地、待合、本席、水屋、厨房などを合わせて茶室ということもあります。しかし、現代社会においては露地、待合、本席、水屋、厨房など、すべての施設を整備することは、非常に難しくなっています。部分的に施設を省略したり、他の施設で代用することも仕方ないのが現状です。

そこで茶事ができなくても、お茶を頂くことができれば、茶室であるという考え方もあります。

茶室の定義については様々な見解がありそれぞれがその見解に固辞したら茶道についてあまり知識のない方は混乱してしまうでしょう。

シンプルに定義づけすると、少なくとも主客が同座して、亭主がお点前をするのに支障がない配置になっていることが茶室の必要条件であると私は思います。


 そして意外にも「茶室」という言葉は、一般的には近代になって用いられるようになり、室町時代には「喫茶之亭」「会所」「茶湯座敷」「数寄座敷」「茶湯間」「茶礼席」「茶屋」など、桃山時代には「小座敷」「座敷」「囲(かこい)」「数寄屋」などと呼ばれました。


客の数は何人が適切か~茶室の大きさが四畳半の場合

5saa.jpg「初終の仕廻(しまい)二時に過べからず」(南方録)とあります。どういう意味かというと茶会は、二時(ふたとき)を過ぎないようにと言っているのです。

ちなみに二時(ふたとき)とは4時間です。実際、客も亭主も緊張感を保てるのは4時間が限度です。人間はそう何時間も集中して緊張感を保てれるわけではありません。

特に決まりがあるわけではありませんが、時間から人数を計算すると、4時間で終わるためには、客は4人以下でないと良い茶事は出来ないということです。

多くとも5人まででしょう。




茶室の雰囲気を知る

6sa.jpg茶室の雰囲気を理解する事も茶道にとっては非常に重要な事です。

茶道具と同様に、茶室にも様々なものがあります。

やはりおすすめなのは様々な茶室を自分の目でみて、このような茶室だとこのような雰囲気になると自分で感じることです。

「百聞は一見に如かず」といいますが、その通りだと思います。

そこで見た茶室の気に入った所、自分の気に入った材料を発見し、少しずつ茶室の雰囲気を感じ取っていくのです。

床の大きさ、床柱、床框、中柱、壁の色、天井構成、窓の構成、出入口の形、建具等もしっかりと確認し茶室の雰囲気を感じ取りましょう。



茶室の写しって何?

7saa.jpg茶室の写しとは現在ある茶室をそのままコピーすると言うことです。

みなさんは茶室を写す事についてどういう考えをお持ちでしょうか。

道具と同様にしばしば茶室も写しが造られることがありますが、それは趣きがなく、茶人からしてみれば軽蔑の対象になります。

話が低俗になりますが、レプリカはレプリカでオリジナルにはなれないのです。

なぜなら写したい茶室があったとしても、当然、時間の経過まで写すことはできません。

写した茶室は、新しい茶室です。年月の経った茶室と新しい茶室では、明るさが全く異なります。材料にしても、自然の材料ですから、同じものは、手に入りません。

写せるのは、構成、大きさ、寸法、材料の種類といったくらいでしょうか。茶室の寸法とおよその形は、再現することができますが、材料に自然木を使っているため、同じ曲がり具合、同じ節目の木はあり得ません。茶室は、木の節の位置、微妙な曲がり具合で随分雰囲気が変わってきます。また、年月が経って、生地の色が変わってきます。年を経た茶室が気に入って、写しを造ったとしても、出来た茶室の雰囲気は、全く異なったものになってしまいます。

以上の理由から茶室の写しはもし自分が茶室を作る際にもしない方がよいでしょう。

ただ良い茶室、気に入った茶室を参考にする事はいいことだと思うので、茶室を作る機会がある場合には参考にして、自分だけのオリジナルの茶室をつくりましょう


茶室の向きについて考える

8sa.jpg武野紹鴎の時代までの茶室は、北向きで、窓がなく、開口部は縁に面した出入口の明障子のみでした。

他の向きもあったようですが、南向きは、道具をみるのには、光量が多すぎるため、避けたようです。

当時は、光は、障子を透して一方からのみ入っていました。利休は、茶室を南向きにしました。北向きの落ち着いた一定の光に対して、南向きにし、窓を開けることで、変化する光を取り入れたと考えられています。そして利休以後の、織田有楽、古田織部、小堀遠州らは、窓を多く開けます。座敷の景としての効果を意図したものと考えられています。

茶室の向きをどうするかによっても全く茶室の雰囲気が変わるところが、茶道の繊細な部分であり、非常に趣きがあることだと私は考えています。茶道では細かいことまで考える心が大切なのです。

露地とは

9sa.jpg露地(ろじ) とは、茶室に付随する庭のことをいいます。

一般的に、飛石、蹲踞、腰掛、石燈籠などが配されています。

露地は、もともとは町屋の家と家とを結ぶ細長い通路のことで、茶室に通じる路のことを路地、あるいは道すがらという意味の路次の字をあてていました。露地の字が使われるようになるのは、利休が路地の精神性を高めたことに起因し江戸時代中期といわれています。

具体的には利休の頃は、まだ「路地」という文字が使われていましたが、利休が路地の精神性を高めたことにより、仏教的解釈が加わって「露地」になったのです。

そして一般的な露地は、二重露地という形式で、露地門側の外露地(そとろじ)と茶室側の内露地(うちろじ)からなり、 その間に中門を設けます。

外露地には、下腹雪隠(したばらせっちん)、外腰掛待合があります。

内露地には内腰掛、砂雪隠(すなせっちん)、蹲踞(つくばい)などが設けられます。

また、露地を外露地と内露地に区別しない一重露地や、さらに外露地と内露地の間に中露地を加えた三重露地などもあります。

一度には覚えられないかもしれませんが、少しづつ覚えていって頂ければと思います。


飛石について知る

10saq.jpg露地(ろじ)は石、蹲踞、腰掛、石燈籠などで構成されていることは別項にて紹介しました。

それでは飛石(とびいし) とは、一体何なのでしょうか。

飛石(とびいし)は伝い歩くために少しずつ離して飛び飛びに据えられた上面の平たい石をいいます。

そして露地では、客は飛石を伝い歩いて、茶室の入口に到ります。

露地の終点が、茶室の入口にある踏石(ふみいし)である沓脱石(くつぬぎいし)になります。
露地の飛石は、基本的に比較的小さい石と比較的大きい石によって構成されています。

露地(ろじ)の構成要素である飛石の存在が露地をより一層趣き深いものにしているのです。


蹲踞(つくばい)についての理解を深める

1c.jpg蹲踞(つくばい) とは、露地(茶庭)で、茶室に席入りする前に、手水鉢(ちょうずばち)で、手を清めるものの事です。

蹲踞は、一般に「手水鉢」(てみずはち)に、客が手水を使うために乗る「前石」(まえいし)、湯桶を置く「湯桶石」(ゆおけいし)、灯火を置く「手燭石」(てしょくいし)の役石と、「水門」(すいもん)別名「海」(うみ)で構成されています。

手水鉢を低く構え、左右に湯桶石と手燭石を配し、前石を据えるのが定式とされています。

流儀によって役石の配置は違い、武者小路千家と表千家は左に手燭石、右に湯桶石を配し、裏千家はその逆に配します。

流派によって役石の配置という細かい部分の決まりが違う事はしっかりと覚えておいてください。

下記、蹲踞の使い方になります。

①亭主の迎付を受けたあと、正客から順に蹲踞に進み、右手で柄杓に手水鉢の水をたっぷり汲み、柄杓半分の水で左手を清めます。

②その後、持ちかえて残りの水で右手を清めます。

③そして再び右手に柄杓を持ちかえ、水を汲み左手に水を受け、手に受けた水で口をすすぎ、最後に残った水を静かに柄杓を立て流しながら柄杓の柄を清め、元に戻します。

茶道の大切な作法なのでしっかりと覚えておきましょう。



腰掛について知る

2c.jpg腰掛(こしかけ) とは、露地に設けられた休息所のことで、腰掛待合(こしかけまちあい)ともいいます。

茶事のときに、客が亭主の迎付や、中立のとき再び席入の合図を待つための場所という役割を果たしています。

腰掛は、柿葺や杉皮葺の片流れの屋根で、三方に壁を建てて内部に腰掛縁を設け、その前に客が足をのせる踏石が据えてあるものが多いです。

踏石は、正客座に据えられた正客石と、次客以下との相客座に据えられた相客石とに区別され、正客石を若干高く据え、次客以下の相客石は畳石にしてあるものが多くあります。

腰掛には、円座(えんざ)を重ねて置き、莨盆(たばこぼん)を置きます。冬は手焙(てあぶり)も置かれます。

腰掛には、すべて板張りの場合と、半分畳の敷かれている場合がありますが、畳は正客用で、この場合正客は円座は使いません。

腰掛ひとつにも色々な趣向や思いやりが込められているのです。

細かい知識だと思うかもしれませんが、茶道についてより深い理解をするためにも覚えておいてください。


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